健康経営優良法人認定

制度の名称 健康経営優良法人認定制度。経済産業省と日本健康会議が運営し、認定は日本健康会議が行います。
制度の性格 計画認定でも補助金でもなく、従業員の健康管理を経営的視点で実践している法人を顕彰する制度です。要件を満たして申請すれば認定されます。
部門 大規模法人部門と中小規模法人部門に分かれます。中小企業が申請するのは通常、中小規模法人部門です。
補助金での扱い 複数の補助金で加点対象となります。計画認定と比べて加点先が広い点が、この制度の実務上の価値です。
申請のサイクル 年1回のみです。申請受付はおおむね毎年8月中旬から10月中旬、認定発表は翌年3月頃です。
備考 認定の有効期間は約1年で、更新制度はありません。維持するには毎年あらためて申請する必要があります。

健康経営優良法人認定とは?

健康経営優良法人認定は、従業員の健康管理を経営的な視点で実践している法人を顕彰する制度です。計画認定のように事業計画を審査されるものではなく、定められた評価項目を満たしていれば認定されます。

補助金の観点でこの制度が重要なのは、加点先が広いことです。経営革新計画や経営力向上計画といった計画認定は、加点として効く補助金が2本程度に限られます。それに対して健康経営優良法人認定は、複数の主要な補助金で加点対象となっています。

一方で、この制度には他の計画認定にない制約があります。申請できるのは年1回だけで、認定の有効期間は約1年、更新制度もありません。補助金の公募時期に認定を持っていない状態だと、次の申請機会まで待つことになります。この時間軸の特殊性が、実務上の要点です。

どの補助金で加点されるか

当センターで解説している補助金について、健康経営優良法人認定が加点対象となるかを整理しました。比較のため、代表的な計画認定もあわせて掲載します。

補助金 健康経営
優良法人
経営革新
計画
経営力向上
計画
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 ○ ○ −
事業承継・M&A補助金 ○ ○ ○
大規模成長投資補助金 ○ − −
中小企業省力化投資補助金(一般型) ○ − −
中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型) 制度なし 制度なし 制度なし
中小企業成長加速化補助金 ○ − −
デジタル化・AI導入補助金 ○ − −
小規模事業者持続化補助金 − − ○

○=加点の対象となります/−=加点の対象ではありません/制度なし=その補助金には加点項目という仕組み自体がありません。加点項目は公募回ごとに見直されますので、申請にあたっては該当する回次の公募要領で必ずご確認ください。

表から読み取れること

健康経営優良法人認定は8制度のうち6制度で加点対象となっており、計画認定と比べて明らかに守備範囲が広いことがわかります。狙う補助金が固まっていない段階でも取得しておく価値がある、数少ない制度です。

なお中小企業成長加速化補助金については、公募要領に加点項目という一覧の形では記載されていません。審査における波及効果の評価要素として明記されているため、当センターでは加点対象として扱っています。要領の文面だけでは判断しにくい部分です。

計画認定より先に検討すべき場合があります

加点だけを目的とするなら、健康経営優良法人認定のほうが計画認定より効率がよい場面があります。計画認定は数値目標を負い、承認後も達成状況を問われますが、健康経営優良法人認定にそうした継続的な義務はありません。一方で申請機会が年1回に限られるため、「必要になってから取る」ができない制度でもあります。この非対称性を踏まえた判断が必要です。

認定の要件と手続き

どちらの部門で申請するか

部門は従業員数または資本金で決まります。中小企業が申請するのは通常、中小規模法人部門です。

業種 大規模法人部門 中小規模法人部門
製造業その他 301人以上 300人以下、または資本金3億円以下
卸売業 101人以上 100人以下、または資本金1億円以下
小売業 51人以上 50人以下、または資本金5,000万円以下
サービス業 101人以上 100人以下、または資本金5,000万円以下

従業員数が大規模の基準、資本金が中小規模の基準に該当する場合は、どちらの部門でも申請できます。取得のしやすさを考えれば、中小規模法人部門を選ぶのが通常です。

申請の前提

中小規模法人部門では、加入している保険者(協会けんぽ・健康保険組合など)が実施する健康宣言事業への参加が原則として必須です。保険者が健康宣言事業を実施していない場合に限り、自治体の健康宣言事業への参加や自社独自の宣言で代替できます。

認定審査では保険者への照会が行われるため、保険者情報に不備があると不認定になります。ここは形式的な項目に見えて、実際に落ちる原因になる箇所です。

認定要件の構造

評価項目は5つの大項目で構成されます。

大項目 扱い
1.経営理念・方針 必須(健康宣言の社内外への発信、経営者自身の健診受診)
2.組織体制 必須(健康づくり担当者の設置)
3.制度・施策実行 選択。3つの中項目それぞれで2項目以上を満たす(受動喫煙対策は必須)
4.評価・改善 必須
5.法令遵守・リスクマネジメント 必須(誓約書の提出)

実質的な選択の余地があるのは大項目3だけで、それ以外はすべて必須という構造です。従業員の健診受診率が実質100%であることも求められますので、まずここが満たせるかを確認してください。受診率は自社で改善できる項目ですが、時間はかかります。

なお中小規模法人部門の上位500法人はブライト500、次点の1,000法人はネクストブライト1000として選定されます。上位認定を狙う場合は大項目3の達成項目数がさらに求められ、地域への発信・普及の取組も必要です。補助金の加点という目的であれば、通常の認定で足ります。

申請料と年間サイクル

申請には認定申請料がかかります。中小規模法人部門は16,500円(税込)、大規模法人部門は88,000円(税込)です。

スケジュールは毎年ほぼ同じ周期で動きます。申請受付がおおむね8月中旬から10月中旬、認定発表が翌年3月頃です。つまり申請から認定まで半年近くかかります。

この時間差が実務上の急所です。秋の申請機会を逃すと、次に認定を得られるのは1年半近く先になります。補助金の公募に合わせて取得することができないため、補助金を検討し始めた段階で、まず認定申請の時期に間に合うかを確認する必要があります。

加点以外のメリット

補助金の加点以外にも、実利のある措置が用意されています。企業によっては、こちらのほうが本体になります。

在留資格の審査で「カテゴリー1」として扱われます

外国人材を雇用する企業にとっては、これが最も大きな効果です。

外国人の在留資格の申請では、受け入れる企業がカテゴリー1から4に区分され、その区分によって提出書類の量が変わります。通常、中小企業はカテゴリー3または4に該当します。

区分 該当する機関 提出書類
カテゴリー1 上場企業、国・地方公共団体、独立行政法人などに加え、健康経営優良法人の認定企業が「一定の条件を満たす企業等」として含まれます 基本的な書類のみ
カテゴリー2 前年の源泉徴収税額が一定額以上の機関など
カテゴリー3 前年分の法定調書合計表を提出した機関 上記に加え、職務経歴書・学位証明書・雇用契約書などが必要
カテゴリー4 上記のいずれにも該当しない機関

つまり認定を取得すると、書類上の扱いが上場企業と同じ区分に一段で引き上がります。採用のたびに発生していた添付書類の作成負担が消え、審査もカテゴリー1・2向けの取扱いになります。

外国人採用を強化している企業は、この一点で取りにいく価値があります

外国人材の採用を継続的に行っている企業では、在留資格の申請が年に何件も発生します。そのたびにカテゴリー3・4として職務経歴書や学位証明書を揃える手間は、積み上がると相当な負担です。補助金の加点とは切り離して、この手続き簡素化だけを目的に認定を取得する企業も少なくありません。採用を担当されている部門と、補助金を検討している部門が別であれば、社内で情報を共有する価値があります。

その他の措置

  • 日本政策金融公庫の優遇利率:働き方改革推進支援資金において、認定法人に特別利率が適用されます。上位認定にはさらに低い利率が設定される二段構えです
  • ハローワーク求人票へのロゴマーク掲載:採用活動での訴求に使えます
  • 自治体・地域金融機関の独自優遇:公共調達での入札加点、融資の金利引下げ・保証料減免、独自の補助金など。内容は自治体ごとに異なります

人材確保に課題を抱える企業にとっては、採用面での効果のほうが本体になる場合があります。補助金の加点は、あくまでそのうちのひとつと捉えるのが実態に近い評価です。

よくある誤解と注意点

誤解①:一度取れば継続する

認定の有効期間は約1年で、更新制度はありません。維持するには毎年あらためて申請し、そのつど申請料を負担する必要があります。ロゴマークの使用も有効期間内に限られます。

失念しやすいのはここです。補助金の申請時点で認定が切れていれば、加点は受けられません。認定を取得したら、翌年以降の申請時期を社内の年間予定に組み込んでください。

誤解②:補助金の公募に合わせて取得できる

申請機会は年1回、認定発表まで半年近くかかります。公募要領を見てから取得することは、制度上できません。加点として使うのであれば、補助金の検討より前に取得しておく必要があります。

誤解③:書類を整えれば取れる

健診受診率、保険者の健康宣言事業への参加、受動喫煙対策といった要件は、実際に社内で運用していなければ満たせません。書類上の体裁だけで通る制度ではなく、準備には数か月を見ておく必要があります。

注意点:加点の適用条件は補助金ごとに異なります

補助金によっては、加点の条件として認定を受けている年度が指定されている場合があります。過去に認定を受けていても、指定された年度の認定でなければ加点されません。申請する補助金の公募要領で、条件を必ずご確認ください。

補助金情報センターのご支援

補助金情報センターでは、健康経営優良法人認定の取得を「健康経営プロジェクト」としてご支援しています。当社は本サービスの導入代理店です。

特徴は、申請支援・社内体制の構築・認定後の運用サポートまでを一貫して提供する点にあります。前述のとおり、認定要件は書類を整えるだけでは満たせません。健診受診率、健康づくり担当者の設置、受動喫煙対策といった実際の社内運用が伴って初めて要件を満たします。そして認定は毎年の申請が前提であり、取得して終わりにもなりません。

段階 ご提供する内容
①申請支援 要件の充足状況の確認、不足項目の洗い出し、申請書類の作成支援
②体制構築 健診受診率の向上、担当者の設置、受動喫煙対策など、要件を満たす社内運用の整備。従業員向けのオンライン健康相談・ハラスメント相談・健康セミナー等の健康増進コンテンツもご提供します
③運用サポート 翌年以降の更新申請の管理、取組の継続支援。あわせて健康経営・両立支援に関する助成金の活用もご案内します

この3つを1つの窓口でまとめて提供できる事業者は多くありません。個別に手配すると、申請代行は申請だけ、健康増進サービスは別契約、という形になります。要件の抜け漏れが起きやすく、費用も積み上がります。一括してお任せいただけることが、実務上の利便性につながります。

あわせて、狙う補助金で加点されるかどうかの判定、申請時期に認定が有効な状態を作れるかどうかの逆算もご一緒します。間に合わない場合は、代わりに取得すべき加点をご提案します。

認定経営革新等支援機関として、補助金と各種認定、そして融資までを一体でご相談いただけます。

認定の申請機会は年1回です。早期相談が採択の鍵です。

認定の申請機会は、年に一度だけです。

狙う補助金で加点されるのか。申請時期に認定が有効な状態を作れるのか。この2点の切り分けから、無料でご相談いただけます。

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