100億宣言とは?
100億宣言は、売上高100億円を目指すことを対外的に表明し、公的なポータルサイトで公表する制度です。補助金でも計画認定でもなく、審査を経て採否が決まるものではありません。要件を満たして手続きを踏めば公表されます。
その意味では制度としては軽いのですが、実務上の位置づけはまったく違います。中小企業成長加速化補助金(補助上限5億円・補助率1/2)は、宣言していなければ申請すらできません。この補助金を検討するなら、宣言は選択肢ではなく前提条件です。
そして宣言は公表までに時間がかかります。申請から公表まで10営業日程度、混み合えば2〜3週間。GビズID(プライム)を持っていなければ、その取得にさらに2週間程度。補助金の公募が始まってから動いたのでは、申請受付期間中に公表が間に合わない可能性があります。
成長加速化補助金との関係
宣言を検討する理由の大半は、この補助金にあります。制度の概要は次のとおりです。
| 項目 | 中小企業成長加速化補助金 |
|---|---|
| 補助上限額 | 5億円 |
| 補助率 | 1/2 |
| 補助対象経費 | 建物費/機械装置費/ソフトウェア費/外注費/専門家経費 |
| 投資額の下限 | 1億円以上(税抜。建物費・機械装置費・ソフトウェア費の合算で判定し、外注費・専門家経費は含みません) |
| 売上高の要件 | 10億円以上100億円未満 |
| 賃上げ要件 | 従業員1人当たり給与支給総額の年平均上昇率4.5%以上(未達の場合は補助金の返還を求められます) |
| 100億宣言 | 申請時までにポータルサイトで公表されていることが必須 |
各要件は公募回ごとに見直される場合がありますので、申請にあたっては該当する回次の公募要領で必ずご確認ください。
補助上限5億円は、中小企業向けの補助金としては最大級の水準です。その分、投資額1億円以上・賃上げ年平均4.5%という要件も相応に重く、本格的な設備投資を伴う成長計画がある企業に絞られた制度といえます。
宣言は補助金の入場券にすぎません
宣言は要件を満たせば公表されるため、「宣言できた=有望」という話ではありません。審査で見られるのは、売上高100億円に向けた中長期ビジョン、投資利益を賃金に還元する持続的な賃上げ計画、環境分析に基づく事業戦略、地域への波及効果、そして投資を実行しきる経営体制と財務力です。宣言はその審査を受ける資格を得る手続きであり、勝負はその先にあります。
宣言の要件と手続き
宣言できる企業
要件は直近決算の売上高が10億円以上100億円未満であることです。基準から外れる場合は直近3期分で判定されます。中小企業基本法等における中小企業者・特定事業者が対象で、業種の限定はありません。
実務上よく問われる点を整理しておきます。子会社でも親会社の規模を問わず宣言できます。上場企業も、みなし大企業も宣言自体は可能です。ただしみなし大企業は、宣言後に使える支援策の一部が対象外になります。資本関係のあるグループは親会社が代表して申請できますが、資本関係のないグループでの宣言はできません。
手続きの流れ
申請は補助金申請システムjGrantsでのオンライン手続きです。GビズID(プライム)が必須で、未取得なら取得から始めることになります。
| 提出するもの | 内容 |
|---|---|
| 100億宣言(様式1) 100億宣言申請書(様式2) |
企業概要、企業理念・経営者メッセージ、売上高100億円の目標と課題、目標達成に向けた具体的措置(生産体制の増強・海外展開・M&A等)と実施体制 |
| 決算書 | 直近3期分。グループ申請の場合は各社分、海外子会社は日本語訳を添付 |
記載事項のうち軽視されがちなのが「売上高100億円をいつ達成するか」という達成予定年の明記です。ここは必須項目であり、後の補助金審査でも中長期ビジョンとの整合を問われる部分になります。
宣言後に起きること
公表されると、ポータルサイトの宣言企業一覧に掲載されます。宣言内容はすべて公開され、非公表とする選択肢はありません。あわせて専用ロゴマークが提供され、名刺やホームページでの使用が認められます。掲載期間に定めはなく、100億円を達成した後も「達成企業」として掲載が続く運用です。
宣言企業は年々増えており、宣言したこと自体の希少性は薄れつつあります。対外的なPR効果を主目的に置く段階ではなく、成長加速化補助金の申請資格を得るための手続きとして捉えるのが、現実的な位置づけです。
公募が始まってからでは間に合いません
宣言の公表は、補助金の申請時点で完了している必要があります。公表までに10営業日程度、混雑時は2〜3週間。GビズID(プライム)が未取得であれば、その取得にさらに2週間程度。逆算すると、公募開始の1か月から1か月半前には着手しておく必要があります。加えて宣言書に記載する目標・課題・具体的措置は、補助金の事業計画と地続きの内容です。宣言と補助金申請を切り離さず、同じ設計のもとで並行して進めるのが最短経路になります。当センターでは初回相談の段階で、締切から逆算して間に合うかどうかを最初に判定しています。
よくある誤解と注意点
誤解①:宣言すれば補助金に採択されやすくなる
宣言は申請資格の要件であって、加点ではありません。申請者は全員が宣言企業ですので、宣言していることが他社との差になることはありません。採否を分けるのは事業計画の中身です。
誤解②:公募が始まってから宣言すればよい
公募期間中に宣言の公表が間に合う保証はありません。公募開始のタイミングは宣言申請が集中する時期でもあり、通常より時間を要する可能性があります。受付開始前に公表を済ませておくのが安全です。
誤解③:宣言の内容は形式的なものでよい
宣言書に記載する目標・課題・具体的措置はすべて公開されます。そして補助金の審査では、中長期ビジョンとの整合が問われます。宣言内容と事業計画の方向性が食い違えば、審査上の説得力を欠くことになります。宣言は補助金申請の第一稿として書くべきものです。
注意点:取り下げには影響があります
経営方針の大幅な変更があった場合、事務局に相談のうえ掲載を取り止めることは可能です。ただし取り止めが他の事業の利用に影響する場合があるとされています。宣言は対外的な公表を伴う手続きですので、達成可能性を検討したうえで判断してください。
「100億宣言」構想ワークショップ
宣言そのものは、要件を満たして手続きを踏めば公表されます。しかし宣言を制度対応として済ませてしまうと、その先の補助金審査で使える材料が手元に残りません。
そこで当社では、宣言の内容を60分で整理するワークショップをご用意しています。ファシリテーターは代表の河村裕司(中小企業診断士・認定経営革新等支援機関)が務めます。
狙い
宣言の文面を整えることではなく、100億円に至る道筋を言葉にすることを目的としています。ここで整理した構想は、そのまま「中小企業成長加速化補助金」と「事業承継・M&A補助金(100億企業特例)」の事業計画の骨格になります。補助金の審査で問われるのは計画の妥当性ですので、宣言の段階で構想を詰めておくほど、申請時の負担が軽くなります。
このような方に
- 宣言はしたいが、100億円という数字の根拠をどう置けばよいか決めきれていない
- 成長加速化補助金の申請を視野に入れており、宣言と計画を切り離さずに考えたい
- 事業承継・M&Aを成長の手段として組み込むかどうかを整理したい
お申し込みはお問い合わせフォームから、お問い合わせ項目で「100億宣言 構想ワークショップ」をお選びください。お電話(03-6825-0432)でも承ります。
補助金情報センターのご支援
補助金情報センターでは、100億宣言の手続きと、成長加速化補助金の申請支援を一体でご提供しています。宣言を単体の手続きとして処理せず、補助金の事業計画から逆算して書く点が特徴です。
- 要件の判定:売上高・企業区分から宣言の対象になるか、成長加速化補助金の投資額1億円・賃上げ4.5%の要件を満たせるかを最初に確認します。届かない場合は、その旨を率直にお伝えします
- スケジュールの逆算:GビズIDの取得状況を確認し、公募締切から逆算して間に合うかを判定します
- 宣言書の作成支援:売上高100億円の達成予定年、課題、具体的措置について、後の事業計画と整合する内容で組み立てます
- 事業計画書の作成:中長期ビジョン、賃上げ計画、地域への波及効果、財務の実現可能性まで、審査項目に沿って中小企業診断士が担当します
- プレゼン審査の対策:書面審査を通過した後の口頭審査に向けて、想定問答の作成と模擬面接を実施します
- 金融機関との調整:審査で問われる資金調達のコミットメントについて、金融機関との協議をご一緒します
認定経営革新等支援機関として、宣言・補助金・融資までを一体でご相談いただけます。
宣言の公表には時間がかかります。早期相談が採択の鍵です。
宣言の公表は、公募が始まってからでは間に合いません。
自社は宣言の対象になるのか。補助金の要件を満たせるのか。締切に間に合うのか。この3点の切り分けから、無料でご相談いただけます。
お電話でのお問い合わせ 03-6825-0432